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景気に左右されない採用体制の考え方

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はじめに

採用市場は、景気の波を最も早く反映する領域のひとつです。
経済成長が加速すれば求人は増え、不況期には企業が採用を抑制する、
この循環が繰り返されています。

過去10年を振り返ると、コロナ禍や円安、人材流動化などを経て、採用市場の構造は大きく変化しました。

本稿では、景気変動と採用市場の関係を過去10年のデータから紐解き、企業が今後の採用戦略をどう設計すべきかを4つの視点で整理します。

景気変動が採用市場に与える3つの影響

景気の変動は、採用活動の規模・質・スピードに直接的な影響を与えます。
ここでは、過去10年間に見られた主な3つの傾向を整理します。

 1. 好況期の”採用競争激化
  景気が上向く時期には求人件数が増え、特に中途・専門職の採用が活発化します。
  それにより、求職者主導の市場に傾きます。
 2. 不況期の”コスト抑制と選考慎重化
  景気が後退すると、採用単価の見直しや選考工程の厳格化が進みます。
  そして人材の質を重視する傾向へのシフトが強まります。
 3. 回復期の”採用再開と人材流動の加速
  景気が持ち直すとともに、転職市場も再活性化します。
  優秀層が動き出すため、採用スピードが成果を分ける要素となります。

景気の上下に応じて採用活動を柔軟に調整できる企業ほど、長期的な採用力を維持できるのです。

データで見る採用市場の10年推移

この10年間の採用市場をみてみると、景気だけでなく社会構造の変化も大きく影響しています。
特に有効求人倍率企業の採用姿勢には、以下のような動きが見られます。

 1. 2013〜2018 年:景気回復とともに求人倍率上昇
  アベノミクス期には企業の採用意欲が高まり、有効求人倍率は1.6倍台まで上昇しました。
 2. 2020 年:コロナ禍で急落
  多くの業界で採用凍結・中止が相次ぎ、1.0倍を下回る時期も発生しております。
 3. 2021〜2025 年:回復と人材不足の並行
  経済再開に伴い求人が急回復する一方、人口減少による採用難が常態化しています。

データは変動を示していますが、共通しているのは景気が回復しても、採用難が完全には解消されないという構造そのものです。

景気に左右されない採用体制をつくる

景気の波は避けられませんが、採用力のある企業はその波を機会に変えています。
その特徴は、短期的な求人調整ではなく、次のような持続的に人材を引き寄せる仕組みを持つことです。

 1. 採用チャネルの多様化
  例:求人媒体依存から脱却し、スカウト・SNS・社員紹介など複数のチャネルを併用
 2. 社内育成との連動
  例:景気が悪化しても内部人材の成長投資を止めず、将来の戦力を内製化を実施
 3. ブランドの一貫発信
  例:採用広報・SNS・メディアを通じて、企業の価値観とビジョンを継続的に伝える

景気に左右されない採用体制とは、外部環境に反応するのではなく、自社の採用軸を明確に持ち続ける企業が実現しているといえます。

経営視点で見る“採用と景気”の新しい関係

これからの採用は、もはや景気の結果ではなく、景気を動かす要素のひとつになりつつあります。
優秀な人材を確保し、事業を推進できる企業ほど、地域経済や業界全体の成長を牽引します。まずは、以下3つの取り組みから始めてみることをおすすめします。

 1. 採用を経営戦略に組み込む
  【ToDo】
  景気の変化に合わせて採用計画を年度単位で再設計する
 2. データとシナリオで備える
  【ToDo】
  求人倍率や離職率などのマクロデータを分析し、リスクと機会を可視化する
 3. 長期的な人材ポートフォリオを設計する
  【ToDo】
  短期採用に頼らず、育成・登用・採用を一体化させた人材戦略を描く

採用はもはやコストではなく、景気変動に強い経営基盤をつくる投資です。

まとめ

過去10年の推移から見えてくるのは、景気の波に合わせて採用を止めたり動かしたりする時代は終わったということです。
変化を前提に、採用を経営の軸に据えた企業が生き残ります。

グリットワークスでは、戦略設計から運用・広報までをワンストップで伴走し、景気や採用市場の変化に強い採用戦略と人材定着の仕組みを組み合わせながら、持続的に人が集まり、育つ採用体制の構築をサポートしています。
まずは、御社の採用活動の中で景気に左右されない仕組みを一緒に作ってみませんか?